2012年 YEAFEO19 派遣報告

１．概要

報告先 公益社団法人日本技術士会　青年技術士交流実行委員会

　　　　（以下、青年委員会）

報告日 2013年1月19日

派遣者 野々垣　智樹（技術士：情報工学）

　　　　昆野　哲也　（技術士補：上下水道、青年委員会委員補佐）

　　　　竹内　翔　　（修習技術者：衛生工学）

派遣期間 2012年12月16日　～　19日

会議名 CAFEO30(Conference of ASEAN Federation of Engineering Organizations)　　

　　　　 YEAFEO19(Young Engineers of ASEAN Federation of Engineering Organizations)

会場　　カンボジア王国　プノンペン特別市

　　 Sofitel Phnom Penh Phokeethra Hotel（国賓利用の最高級ホテル）

派遣目的

1.青年委員会における各国若手技術者団体との関係基盤の維持確保
2.青年委員会国際活動の目指すべき方向性検討情報の収集
3.派遣者・関係者及び国際活動に関心のある者への国際感覚の醸成

主日程

12月16日	派遣者現地集合
12月17日	CAFEO30/YEAFEO19　会議登録 CAFEO30 Working会議 YEAFEO19本会議 Welcomeディナー
12月18日	CAFEO30本会議 ASEAN各国カントリーレポート
12月19日	AFEO30テクニカルセッション/ツアー CAFEO30クロージング Farewellパーティ
12月20日	帰国

2．活動状況

2.1　12月16日

各自にて現地入り。
18時ホテル到着後、互いに連絡をとり、集合。現地レストランにて夕食。
19時個人参加者との顔合わせ。会議進行に関する情報収集を実施。
個人参加者宿泊部屋にて、Farewellパーティにおける日本出し物の練習実施。

2.2　12月17日

8時会場入り。会議登録後、各国参加者との挨拶。
9時 Award Meeting Group聴講。

参加者：各国技術者団体チェアマン
議　題：各国の技術者資格認定に関する意見交換及び相互認証への取組検討。

10時 YEAFEO本会議。

-議事
1.開催宣言
2.各国代表者自己紹介
　日本からは野々垣、昆野、竹内が実施した。
3.前回ブルネイ大会の議事録確認
　特筆すべき事項なし。
4.議案協議
(1)ウェブサイト
YEAFEOウェブサイトを立ち上げるため、各国からの情報提示を求めていたが、報告国が１件もなかったため、未実施であった。過去の経緯から、担当者変更によりウェブサイトの運用が困難となるため、情報共有はメールがよいとの提言があった。なお、紙による出席者リストを回覧したが、メール記入欄が明示されていなかったため、メールアドレス収集も未実施となった。結果、Facebookによる運用が容易とのこととなり、現在のYEAFEOグループを運営・管理することとした。
(2)各国の技術者会員確保状況
マレーシアによるAERYE(ASEAN Engineers Register for Young Engineers)の5000名獲得に関する質疑・情報共有があった。各国会員獲得に苦慮しており、その工夫が共有された。マレーシアによると、大学における出張講義実施時に登録するだけであれば無料としたことが効果的であったとのこと。しかし、資格が実効的となる登録証明証はUSD20必要とのこと。
(3)インターン
各国のインターン条件を共有した。しかし実現するにはスポンサーを見つけることが困難であろうとの見通しがなされた。日本の意見として、各国からインターン訪問の要望があれば受け付けると発表した。その後、シンガポール学生２名から打診あった。後日、メールにて希望詳細を野々垣宛に送信するとのことだったが、1/19時点にて未受領である。
5.AFEOへの提言
　特筆すべき事項なし
6.YEAFEO20(インドネシア)への提案
(1)中間会議の開催
AFEOからYEAFEO中間会議の金銭的支援が受けられないため、費用のかからないSkypeミーティングが提案された。開催に関する詳細協議はWelcomeディナー中に実施することを決定がされた。日本は投票権がないものの関係性維持のため、協議への参加希望を表明した。代表者として野々垣が出席した（後述）。
7.その他
　特筆すべき事項なし

12時昼食。派遣者、個人参加者間での情報交換。
14時 YEAFEO各国カントリーレポート

カンボジア／インドネシア／マレーシア／ミャンマー／フィリピン／
シンガポール／タイ／ベトナム／ブルネイ／香港／日本
各国の発表として、タイの大洪水、インドネシア・日本の津波などの影響もあり、Disaster Management といったキーワードが何度か出てきたのが印象的であった。
　会議進行が遅れており、発表直前に発表時間を10分間にまとめるように議長より指示があった。竹内は、青年委員会の活動を中心に時間通りに発表を終えた。日本概要を紹介する資料のアニメ、AKB48は認知度が高い模様で大きな反応があった。発表資料に関する他国からの質疑はなかった。なお、昆野の発案により日本がYEAFEOに対してどのような貢献ができるのかを探るため、各国の関心事および日本への期待について各国代表者に質問票を配布し、回収した。
※ラオス代表は欠席のため、未実施

16時 YEAFEO各国記念品交換。
19時 Welcomeディナー

ディナー中、YEAFEO各国代表者のみのテーブルにてYEAFEO中間会議開催の協議。その結果、3/4(月)21時（日本時間）にSkypeミーティング開催にて決定した。

2.3　12月18日

8時会場入り。記念式典および基調講演他を聴講。

基調講演は、マレーシア技術士会長によるエネルギーと生活様態の変遷を紹介。

12時 YEAFEOのみで昼食。各国参加者との意見交換。
14時 CAFEO各国カントリーレポート

-カンボジア／インドネシア／ラオス／マレーシア／ミャンマー／フィリピン／シンガポール
-タイ／ベトナム／ブルネイ

17時自由行動。派遣者はマレーシア・カンボジア参加者との意見交換。

2.4　12月19日

8時会場入り。テクニカルツアー参加（カンボジアビール工場見学）
12時昼食。各国参加者との意見交換。出席者総数○○○名。
15時 CAFEO30クロージング参加。
19時 Farewellパーティ参加。

日本からは、個人参加者による空手武芸および歌謡曲「ヤングマン」を振り付きで熱唱。

2.4　12月20日

各自にて帰国

3．考察

3.1　成果

3.1.1.　青年委員会における各国若手技術者団体との関係基盤の維持確保

　カントリーレポート、中間会議協議、Farewellパーティ参加を通じ、日本の受け持分をこなし、代表団としての存在を明示できた。また前回派遣者（小川氏、千葉氏、葛西氏）を記憶している参加者がおり、関係が継続されていることを確認できた。今回派遣者全員もFacebookのYEAFEOグループに登録済みであり、容易にコミュニケーションができる環境を整備した。

3.1.2.青年委員会国際活動の目指すべき方向性検討情報の収集

　YEAFEOカントリーレポート時に各国代表者から回収したコメントからは、日本の高度経済基盤やインフラ、エネルギー、原発事故などに関心があることが伺える。また、直接交流を求める声もあり、活動の方向性検討のための情報を収集できた。

3.1.3.派遣者・関係者及び国際活動に関心のある者への国際感覚の醸成

　派遣者は、青年委員会の派遣目的を基軸に各人の目的を達成するために、調査・準備・会議参加を実施した。特に制約事項の多い現地において、努力・工夫し、目的を達成できたことは、かけがえのない経験である。

　関係者及び国際活動に関心のある者（国際活動報告会参加者）への国際感覚の醸成については、派遣者自身の経験および各国代表者の回答等を用いて、1/19国際交流発表会等を通じて、具体的な活動案のディスカッションを行うことにて実施したい。

3.2所感・課題

3.2.1 日本代表団の参加形式について

　各国参加者は非常にオープンマインドであり、ゲストである日本代表団を歓迎している。他国代表者は継続参加が多いが、日本派遣者は毎年変更となることについて、複数の代表者に問うたところ、全く問題ではないとのことであった。他国代表者も3-5年程度で世代交代を繰り返しており、引継ぎながら関係性を保っているとのことである。ASEAN内でも欠席する国があることから、毎年継続的に参加している日本は、各国から好印象を得られている。
　青年委員長が出席すべきかについては、ASEAN諸国と日本のYEAFEOに対する意味づけが異なることから日本独自の判断でも問題にならないと推量する。

3.2.2 コミュニケーション能力について

　日本代表団の英語力が不足していることについては、さほど気にはならないとのことであるが深い関係性を維持するため、さらにYEAFEOに積極的に貢献するためには、一定レベル以上の能力が必要であることは間違いない。この課題については、継続的に一定レベルの派遣者を確保するために青年委員会から会員に対して学習環境の提供および紹介が必要かと考える。
　尚、言語能力の研鑽だけではなく、国際的なマナーや文化についても、学習または引継ぐべき事項として考える。他国に対する尊重のあり方や、タブーを知ることで、粗相を未然に防ぐことも、窓口たる青年委員会の役割と考える。

3.2.3 派遣補助について

　各国の派遣補助については、数万円を参加者全員で按分している国がいくつか見受けられた。多数の参加者を派遣しているため、ほとんどの費用は個人負担となっている状況であるが、彼らはそれでもなお参加することに魅力を感じており、可能な限り、参加を継続したいとの意向であった。

3.2.4 来年度以降について

　1/19の国際交流発表会では、成果に対し、傍聴者らより期待の声が寄せられており、青年委員会による国際活動は十分に意義のあるものと評価できる。今回持ち帰った情報や成果は、青年委員会にて活用し、YEAFEOの他、香港との２国間交流などにも反映させ、活動の維持継続、活性化に貢献したい。

3.2.5 青年委員会以外の参加者・グループとの連携について

　技術士会内部の他国際グループとも連携を取るべきとの意見が寄せられた。この点については以前より議論が進んでいたが、意見を受け、今後は情報共有をより密に行うことで、有意義な方向に進めていきたい。
　また、YEAFEOへの日本人参加者の拡大は、技術士会の内部に留まらず、早稲田大学の学生らも参加している。日本代表団として、彼らを含め、一括りで活動、発言する場合もあり得るので、連携、調整を今後の課題として検討したい。

4. 備考

4.1 会議参加以外の活動

9/6-21派遣者募集への応募
9/30　青年委員会理事とのミーティング（今後の進め方）
10/ 8　Skypeミーティング１回目（役割分担）
10/15　個人参加者との事前ミーティング（会議情報収集）
11/25　Skypeミーティング２回目（事前準備進捗確認）
1/ 6　Skypeミーティング３回目（国際交流報告会準備）
1/19　国際交流報告会