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200808香港若手技術者との交流

1.これまでの経緯

日本技術士会青年技術士交流実行委員会では、香港の若手技術者との交流基盤を構築するため、2007 年10 月31 日に香港ICE(Institution of Civil Engineers)の訪問団を受入れ、香港の若手技術者との交流を本格的開始した。また、2007 年11 月26 日から29 日にかけてフィリピン・セブ等で行われたYEAFEO-14 において、香港工程師学会(The Hong Kong Institution of Engineers)の代表団との交流を深め、人的ネットワークの構築を行った。

2.香港交流の目的

香港の若手技術者との交流の目的は、下記のとおりである。
  1. 日本と香港の若手技術者のネットワークの構築
  2. 日本技術士会および青年委員会の知名度向上
  3. 日本と香港のビジネスにおける利益の増進
今回の香港訪問は、日本技術士会青年技術士交流実行委員会から香港工程師学会および香港ICE を訪問し、特定テーマについてディスカッションするとともに、今後継続的な国際交流を実施していく枠組みを構築することを目的に実施した。

3.行程

当初は、表1 に示す行程で実施する予定であったが、8 月21 日の夜から8 月22 日にかけて超大型台風が香港を直撃し、8 月22 日の予定が全て中止となった。
現地で先方と対応を協議し、予備日として確保していた8 月23 日に予定を再設定していただくことができた。
8月21日(木) 東京発 → 香港着
8月22日(金) テクニカル・ツアー(ICC: International Commercial Centre)
香港工程師学会 & 香港ICE の若手技術者とのミーティング
(プレゼンテーション、ディスカッション)※
Dinner Party
8月23日(土) 予備日、カルチャー・ツアー
8月24日(日) 帰国
※プレゼンテーション:青年委員会の活動報告
ディスカッション: 'The role of young engineers in Hong Kong and Japan in the age of globalization.'というテーマでディスカッション

4.派遣者氏名

日本から3名の若手技術者を香港に派遣した。

5.実施内容

5-1 テクニカル・ツアー

日時:2008年8月23日(土) 9:30~12:00
場所:ICC: International Commercial Centre (地下鉄MTR Kowloon 駅前)
随行:香港工程師学会Young Members Committee のメンバー約30 名
内容:
  1. ICC のプロジェクト概要、ビルの建設技術に関するプレゼンテーション(プロジェクトを実施しているSHKP 社より説明)
  2. ICC ビルの見学(19F フロアにて)
ICC は、MTR Kowloon 駅前の再開発事業の一環として建設されている、地上118 階、地下4 階の大型商業施設である。完成すると高さは485m となり、香港で最も高いビルとなる。現在、柱、床、壁の工事がほぼ完成し、これから内装工事に取り掛かるとのことであった。壁の施工には移動式型枠施工法(Climb-form Construction Method)が採用され、型枠が徐々にジャッキアップされてビルの上層階へと施工を進めていく方式であった。また、コンクリートは骨材の配合を変えることで高強度にしたものが使用されていた。最後に、説明して下さったNelson L. O. Chu 氏に記念品を渡し、訪問を終了した。

5-2 ディスカッションとDinner Party

日時:2008 年8 月23 日(土) 20:00~22:30
場所:地下鉄MTR 「Tsim Sha Chai 駅」付近レストラン
内容:

当初、8 月22 日に香港工程師学会および香港土木技術者協会を表敬訪問し、会議室でパワーポイントを用いて実施する予定であった。ところが、超大型台風の上陸に伴い予定がすべて中止となったため、翌日に延期することにした。

翌日の8 月23 日は土曜日であったことから、香港工程師学会および香港土木技術者協会の表敬訪問は中止となり、また会議室も使用できなかったことから、パワーポイントの内容を紙に打ち出して資料として配布し、レストランで着席した状態で互いのプレゼンテーションを実施することとなった。

はじめに、香港工程師学会のYMC(Young Members Committee)のTrevor C W Tang 委員長より、YMC の活動報告についてプレゼンテーションが行われた。YMC とは、香港工程師学会の青年委員会であり、日本技術士会 青年技術士交流実行委員会のカウンターパートに当たる組織である。香港工程師学会の35 歳以下の会員が対象となる。活動報告の中で、YMC の組織、年間の活動概要などについて報告があった。

次に、香港土木技術者協会のYMC のSam Lee Hung Yik 委員長より、YMC の組織、年間の活動概要などについて報告があった。

続いて、日本の青年技術士交流実行委員会のプレゼンテーションに移った。「グローバル社会における日本と香港の若手技術者の役割」と題して話題提供を行った。なお、青年技術士交流実行委員会の活動報告として準備したスライドショーについては、パワーポイントが使えなかったことから、紙に印刷したものを回覧することで紹介するに留めた。

日本側のプレゼンテーションでは、APEC Engineer Project、EMF (Engineering mobility Forum)といった技術者資格の国際化に関する背景の説明を行い、技術者の能力にはグローバルスタンダードというものが存在するという話題提供から説明を開始した。続いて、我々若手技術者がこのような能力を獲得するためには、国際交流を通じて他国の技術者とコミュニケーションを図ることが非常に有効であることを説明し、青年委員会の国際交流活動について具体例として、豪州・韓国・アセアン諸国・香港との交流を実施していることを紹介した。

最後にまとめとして、グローバル化が進む現代においては技術者の国際流動性の確保は必須であること、両国の青年技術士は、「優れた技術力・優れたコミュニケーション能力・確かな技術者倫理」の3 つの能力を身につけるべくCPD に励む必要があること、そして、それらの能力を身につけるためには国際交流活動が有益であることを述べた。

プレゼンテーションの後、食事を取りながら上記テーマについてのディスカッションを行った。

香港工程師学会の青年委員会は、豪州、マレーシア、中国本土の二国間交流を頻繁に実施しており、また、毎年のYEAFEO(Young Engineers of ASEAN Federation of Engineering Organization)会議にもゲスト国として代表団を送り込むなど、国際交流を積極的に展開している。国際交流の目的は、国際感覚の育成等の若手技術者の研鑽であり、CPD の一環として国際交流の重要性を強く認識している。したがって、香港の若手技術者からは、エンジニアの国際流動性の重要性については賛同する声が多く聞かれた。しかしながら、技術者資格の国際同等性の確保については、現時点ではそれほど必要性を感じていないようであった。

また、彼らは日本との二国間交流に以前から興味を持っていたようであった。しかし、以前はコンタクトポイントが分からなかったことから交流を開始することができなかったようである。今後は、今回強化した人的ネットワークを生かして日本との二国間交流を活性化していきたいとの意思表示をいただいた。

その後レストランで歓談を行い、両国の若手技術者の将来について有意義な情報交流を行った。

最後に、香港工程師学会YMC、香港土木技術者協会YMC の代表者とのプレゼント交換を行い、記念撮影を行ってミーティングを終了した。

なお、会合の途中で香港土木技術者協会Chairman のK W Lee 氏が我々に歓迎の言葉を述べるために顔を出して下さった。名刺交換をした後、今回の我々の訪問受け入れに対する感謝の意を述べた。


5-3 カルチャー・ツアー

日時:2008 年8 月23 日(土) 13:00~19:00
場所:お寺(黄大仙)、Stanley、その他香港市街散策
内容:
香港の歴史、文化と風土について学ぶため、カルチャー・ツアーを企画していただいた。市内の移動には地下鉄MTR とバス、フェリーなどの公共交通機関を利用し、香港の街の様子を観察できるように配慮していただいた。
はじめに、黄大仙というお寺を訪問し、その後、バスでStanley という街に移動した。Stanleyは、香港でも有数のリゾート地であり、欧米系人種の姿が目立った。観光客向けのマーケットで土産物などを購入した。
夕方になり、香港市街に戻って散策した後、ローカル・フードなどを楽しむことができた。香港の皆さんが代わる代わる案内役として随行して下さり、道中で多くの会話を楽しむなど大変充実したカルチャー・ツアーであった。

6.おわりに

短い期間であったが、香港の若手技術者とのディスカッション、情報交流は非常に充実したものであった。

今回の香港訪問で得られた成果:

  1. 日本技術士会青年委員会の活動内容をアピールし、今後も国際活動にも積極的に取り組んでいくという姿勢を示すことができた。これにより、日本技術士会青年技術士交流実行委員会の知名度の向上に寄与することができた。
  2. 香港工程師学会、香港土木技術者協会の若手技術者との関係を強固にし、今後も日本技術士会青年委員会との継続的な交流を行っていくことを確認した。また、今回の訪問で香港との関係を個人的な繋がりに頼ったものから組織的な関係に発展させることができ、今後の二国間交流の基礎を構築することができた。

今後の取り組み:

  1. 国際交流は、若手技術者のスキルアップや国際感覚を養うという意味で有意義であるので、今後も可能な限り多くの会員・準会員に国際交流の機会を提供していく。
  2. 特定の人物だけが関係を継続するのではなく、委員会組織として継続的に国際交流ができるようなスキームを構築していく。将来的には、組織としての人的ネットワークを利用した日本と香港のビジネスにおける利益の増進につなげていく。
  3. 国際交流を円滑に実施できるだけの語学力と国際感覚を身につけるための研鑽メニューを充実させ、日本の若手技術者の国際交流活動を活性化していく。
以 上

Updated on 7 28, 2010 by 嶌田泰彦 (Version 3)