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200806豪州技術士会青年委員会との交流


豪州技術士会青年委員会(Young Engineers Australia)との交流

1. 招聘者氏名

Ms Anntonette Joseph
Young Engineers Australia, Chair

2. 行程

6.25 (水) 豪州発
6.26 (木) 日本着 ホテルへ
6.27 (金) 品川女子学院、「環境問題」特別講座参加

6.28 (土) ホテルに迎え、事前打合せ
拡大運営委員会
Welcome Party
6.29 (日) 本支部交流研修会
テクニカル・ツアー(日本科学未来館、大江戸温泉)
6.30 (月) 「東京観光ツアー」東京タワーと浅草・隅田川下り
7.1 (火) Call to the Australian Embassy with Australian Engineer
テクニカル・ツアー(横浜火力発電所(高効率コンバインドサイクル))
Farewell Dinner
7.2 (水) 日本技術士会 表敬訪問
日本発
7.3 (金) 豪州着

3.実施内容

3-1 品川女子学院「環境問題」特別講座

日時:2008 年6 月27 日(金) 16:00~17:30
場所:品川女子学院
講 師:田村他㈱ファーストエスコ社員2 名(渡辺、川見)
ゲスト:Ms. Anny Joseph
内容:
1. 自己紹介(環境ビジネスに携わるまでの経緯)
2. 環境問題総論(田村)
3. ESCO 事業について(渡辺)
4. コージェネレーションと地域冷暖房システムについて(川見)
5. 豪州の環境問題について(Anny)
㈱ファーストエスコが取り組んでい る環境教育活動の一環として、品川女子学院への特
別講座をAnny さんの来日日程に合わせることができ、参加していただいた。
具体的な 環境ビジネスについて技術者が実績も含めて話したこと、豪州の環境系技術者か
つ女性のAnny さんが話したため、生徒も熱心に聴講していた。スピーチは英語であったが、
分かりやすく話してくれたため生徒も概ね理解していた。
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Anny さんから、『日本の女子学生は放課後も勉強して大変熱心である。豪州には環境の技
術者が少ないので、たくさん勉強して環境のエンジニアになっ て、是非オーストラリアに
来てください!』との言葉に、生徒達は笑顔で答えていた。また、今回の講座で技術士や
環境問題を身近に感じてく れたこと、技術者のグローバルな活動について憧れを抱いてく
れたようで、双方の国にとって非常に有意義な時間を持てた。

3-2 拡大運営委員会およびWelcome Dinner

日時:2008 年6 月28 日(土) 13:00~20:00
場所:日本技術士 会会議室A,B(葺手第二ビル5 階)
内容:
青年技術士交流実行委員会の拡大運営委員会の中で、Anny さんに「Young Engineers
Australia の活動報告」というタイトルの報告をいただいた。
Young Engineers Australia とは、Engineers Australia(豪州技術士会)の青年の部で
あり、日本技術士会 青年技術士交流実行委員会のカウンターパートに当たる組織である。
活動報告の中で、組織、年間の活動概要などについて紹介があった。
豪州 は広大な国土を有しているため、Engineers Australia の全支部が集まる会合を持つ
だけでもかなりの移動距離が必要とのことで あった。本日の拡大運営委員会で試行された
「ネットミーティング」は、豪州でも活用していきたいとのコメントがあった。
また講演の途中 で、紙ヒコーキを誰が最も遠くまで飛ばせるかを競うコンテストが行わ
れた。Engineers Australia でもよく実施されているコンテストとのことであった。
最後に、豪州ではエンジニアの数が不足しており、海外からのエンジニアの受け入れを
積 極的に行っていることに触れられた。日本のエンジニアの皆さんもぜひ豪州に来て仕事
をしてほしいとのメッセージを残された。
次に、日本の 青年委員会の活動報告として、各支部の代表者から15 分ずつの発表があっ
た。ディスカッションの中で、会員拡大に関することが話題となった。北 海道支部からの
問題定義として、地方部では東京に比べて享受できる会員サービスが少ないため、会員に
なるメリットが少ないので会員数を十 分に確保できないという点が挙げられた。これに対
して、豪州でも同様の問題点を抱えているとの発言があった。会員拡大と活動の活性化対
策 として、豪州では学生会員の会費を無料にして会員数を確保し、社会人に比べて時間に
余裕のある学生に積極的に活動の企画運営に携わってもらうこと で運営体制を強化してい
るとの報告があった。ところが、日本の場合は技術士第一次試験に合格するかJABEE 認定
課程を修了して修習技 術者にならなければ技術士会の準会員になることはできないので、
学生会員の会費を無料にすることによる効果は豪州ほどには期待できないかも知れな い。
夕方より、同じく葺手第二ビル5 階会議室A/B で立食パーティ形式のWelcome Party が
行われた。
パーティ は、特別ゲストとして招待された国際特別委員会の畑尾成道委員長の開会挨拶で始まり、歓談の後、日豪両国の青年委員会の代表者によるプレゼント交換が行わ れた。直前の拡大運営委員会にて次期委員長に任命された田村委員長と、豪州のAnny 委員長によるプレゼント交換セレモニーの後、特別ゲストの氷上澄子氏(特定非営利活動法人 女性技術士の会、理事長)によるスピーチが行われた。
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3-3 本支部交流研修会

日時:2008 年6 月29 日(日) 9:00~12:00
場所:きゅりあん(品川区立総合区民会館) 5階第3講習室
内容:
本支部交流研修会では、はじめに「グローバルエンジニアへの道」というテーマでのパネ
ルディスカッションが 行われた。豪州のAnny さんによる「The Global Engineer」と題した
話題提供に続き、日本の松本委員による「グローバル社 会における日豪技術士の役割」と題
した話題提供が行われた。
Anny さんからは、下記の流れで話題提供があった。
1. What is a global engineer?
2. Steps to be a global engineer
3. Work being done internationally
4. Japan and Australia input
5. My personal belief
Washington Accord、APEC Engineer、The Engineers Mobility Forum などの国際技術者
資格に関する話題、地球温暖化や貧困などの問題を取り上げ、我々エンジニアは「Think
Globally, Act Locally」の精神で行動しなければならないという提案がなされた。また、
グローバルエンジニアになるための資質として、技術力以 外に文化に関する理解、語学力、
リーダーシップといった能力が必要であるという提案があった。そして、このようなスキル
を身につけるため の手段の一つとして、国際会議の場を通じての若手技術者同士のコミュニ
ケーションが必要であるとともに、日本と豪州は互いに国際社会でリーダー シップを発揮し
て行かなければならないという提言がなされた。最後に、具体的な提案として、国際交流を
積極的に行っている豪州、日本、マ レーシア、香港、シンガポールの5 カ国の技術士会がア
ジア太平洋地域でリーダーシップを取り、同地域の技術者相互のコミュニケーションを活発
化 させていくことが提議された。
続いて、松本委員から同じくAPEC Engineer Project、EMF (Engineering mobility Forum)
といった技術者資格の国際化に関する背景の説明があり、技術者の能力にはグローバルスタ
ンダードというも のが存在するという話題提供からプレゼンテーションが始まった。若手技
術者がこのような能力を獲得するためには、国際交流を通じて他国の技術者と コミュニケー
ションを図ることが非常に有効であり、日本技術士会青年委員会の国際交流に関するミッシ
ョン・ステートメントに関する説明が なされた。
続いて、青年委員会の国際交流活動について具体例として、豪州・韓国・アセアン諸国・
香港との交流を実施していることが紹介さ れた。最後にまとめとして、グローバル化が進む
現代においては技術者の国際流動性の確保は必須であること、日豪の技術士はアジア太平洋
地 域においてリーダーシップを発揮していくべきであること、両国の青年技術士は、「優れ
た技術力・優れたコミュニケーション能力・確かな技術者倫 理」の3 つの能力を身につける
べくCPD に励む必要があること、そして、それらの能力を身につけるためには国際交流活動
が有益である ことが述べられた。
その後、前田委員が座長を務めて「グローバル社会において国際交流はどうあるべきか」
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というテーマでのパ ネルディスカッションが行われた。議論の中で、グローバルエンジニア
に必要な資質のうち、「コミュニケーション・スキル」が話題となった。松本委 員から、コ
ミュニケーション・スキルとは単なる外国語の習熟度に留まらず、相手を理解し互いに意思
の疎通を行うヒューマンスキルであると いう回答があり、Anny さんも会場の参加者もそれ
に賛同した。また、コミュニケーション・スキルの一つとして国際社会でも通用する会話の
ルー ルについても話題となり、相手の話を最後まで聞き、他人の意見を尊重するという姿勢
が必要であるという提案がなされた。Anny さんは、人間には耳が2 つあるが口は1 つしか
ないので、全体の2/3 の時間は聞く時間とし、残りの1/3 の時間で話すようにした方がよい
と いう提案があった。
最後に、フロアからJICA(国際協力機構)のような組織と技術士会との連携に関する提
案があった。豪州では、 Red-R と呼ばれる組織が国際協力を実施しており、これらの組織と
の連携により技術者派遣の財政的裏付けが得られる可能性があるという意見が 出た。

3-4 テクニカル・ツアーおよびカルチャー・ツアー

日時:2008 年6 月29 日(日) 13:00~20:00
場 所:日本科学未来館、大江戸温泉
内容:
テクニカル・ツアーとして、日本科学未来館の見学を行った。1.「地球環境とフロンテ
ィ ア」未来の新たな自然観、2.「生命の科学と人間」将来の生命観、3.「技術革新と未来」
将来の物質システム観、4.「情報科学技術と社会」将来 の情報世界観の4 つの常設展示を
見学した。さらに、Anny さんに日本文化を体験していただくため、大江戸温泉物語で温泉
入浴および 浴衣を着ての交流を実施した。

3-5 東京観光ツアー

日時:2008 年6 月30 日(月) 9:50~15:00
場 所:東京タワーと浅草・隅田川下り
内容:
東京の名所を巡るため、はとバスツアーに参加して東京タワーと浅草・隅田川下りを実
施し た。(遂行:松本委員)

3-6 Call to the Australian Embassy with Australian Engineer

日時:2008 年7 月1 日(火)10:00~11:00
場所:豪州大使館
内容:
Anny さんの豪州大使館訪問に、日本から掛川副委員長が同行した。大使館では、政策担
当公使のBRUCE MILLER 氏に対応していただき、下記のようなやり取りがあった。
・ Engineers Australia の活動報告、日豪交流のこれまでの経緯を説明。
(Anny さんがパソコンでプレゼンテーション実施)
・ 日本の青年委員会のH 19 年度の活動報告の説明(掛川副委員長)
・ 日豪交流の今後の取組みについてPR
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・ 豪日交流基金について説明を受ける。

3-7 テクニカル・ツアー

発電所の効率の高効率化について説明を受けた。また。高効率コンバインドサイ
クルの構成について説明を受け、なぜ 効率が高い(54%)のかを理解した。発電所
内のCentral operation room、各種設備を見学して発電所の規模、メンテナンス体
制等について説明を受けた。最後にStack(排気塔)の上部にある展望室(高さ 180m)
から東西南北のView を楽しんだ。

3-8 Farewell Dinner

日時:2008 年7 月1 日(火)19:00~22:00
場所:魚亀(港区東麻布2-12-3)
内容:
青年委員会のメンバー6 名をAnny さんで「魚亀」で最後の別れを惜しんだ。

3-9 日本技術士会 表敬訪問

日時:2008 年7 月2 日(水)10:00~11:00
場所:日本技術士会 事務局
内容:
掛川副委員長の随行で、日本技術士会を表敬訪問した。新専務理 事の高木譲一氏、吉井
氏、三上氏に対応して頂いた。
30 分程時間を頂き専務理事室で日豪交流の今までの経緯を高木専務に説明し、続いて、
アニーさんがパソコンを使ってプレゼンテーションを実施し、質 疑、討論、記念撮影をお
こなった。おもな内容は、下記の通りである。
(1) 拡大運営委員会で実施したネットミーティングは広い豪州では集まるのに時間とお金
がかかるので有効ではという話が出た。
(2) 高木専務理事から、技術士の地位向上には、先日でたばかりの「研究開発システムの
改革の推進等による研究開発能力の強化および研究開発等の効率的 推進に関する法律案」
が有効に機能していくのではというお話を頂いた。
(3) 豪州のCPD 制度、試験制度につて議論がなされた。豪州ではペーパー試験はないが、
とてもきびしいインタビュー試験があるようである。
最後に、 Anny さんからプレセントが贈呈され、記念撮影を行った。

4.おわりに

1 週間にわたり、豪州技術士会青年委員会代表のAnny さんとのディスカッション、情報
交流を実施した。日豪技術士会の青年委員会が抱える共通の 問題点の確認や、グローバル
社会における日豪技術士の役割などについて、非常に有益な情報交流ができた。
今後も両国の青年委員会では、技 術士会の関係部署と連携し、アジア太平洋地域でリー
ダーシップを発揮して国際社会への積極的な貢献を行っていくことを確認した。



Updated on 7 24, 2010 by 嶌田泰彦 (Version 5)